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解雇の自由は労働市場の流動性向上には繋がらない

アベノミクス第三の矢(成長戦略)の中で議論されているのが「解雇の自由」というもの。これは、今の日本では「解雇の自由」が制限されているので、その制限を撤廃すべしと言うことのようです。彼等の理屈では「解雇の自由」が確保されれば労働市場の流動性が向上し、現在のような硬直化した人事(辞めない正社員)を解消できるだろうと言うことのようです。

果たして本当でしょうか?

実は大嘘ですね。

まず、今の日本でも解雇の自由は制限されているわけではありません。解雇には「社会通念上相当の理由が必要だ」と言っているだけです。社会通念上相当の理由というのは、ただ単に「使えない」とか「気に入らない」とかの理由で解雇してはいけないということであり、解雇をしてはいけないと言っているわけではありません。当たり前のことを当たり前に言っているだけです。これが不都合である会社は「間違いなくブラック企業」です。

次に、解雇を自由にして本当に労働市場の流動性向上に繋がるのかというと、そんな事はありません。単純に考えれば判ることですが、解雇された人をホイホイ雇う会社はありません。ましてや、従前よりも高額の給料で雇う会社は皆無でしょう。実際には安く買い叩かれるだけなのです。

アベノミクスの目的とするところは単純に「企業にとって不都合な社員のクビを自由に切れるようにしたい」という事だけなのですよ。それが成長戦略と言っている段階で、アベノミクスの失敗は目に見えます。安く買い叩かれた人達はお金を使わなくなります。そうすれば当然国内の市場は縮小していきます。成長なんかするわけ無いですよね。

では、本当に労働市場の流動性向上をするにはどうしたら良いのでしょうか?

まずは、年功序列賃金の廃止ですね。長く同じ会社に勤めれば能力に関わらず賃金が上がるから社員は辞めなくなります。だから、辞める気を起こさせる為に「能力が無ければ賃金が上がらない」もしくは「能力が無ければ賃金が下がる」ようにすれば良いだけなのです。その上で、能力のある社員を集めたい会社は、従前よりも高額の給料を提示できれば良いだけなのです。そうすれば、人は高い方に流れて行きます。賃金も上がるからお金を使うようになり、国内市場は拡大していきます。

これこそ成長戦略ですね。

こんな単純なことは小学生でも判る話です。そういう企業にとって不都合なことを隠して都合のいい話ばかりするからダメなんですよ。そして、そういうまやかしに騙される国民が多いからダメなんですよ。

結局、「解雇の自由」と「労働市場の流動性向上」は全く関係ないことを隠さなければならない人達が政権を握っているから、日本の経済はいつまで経っても良くならないわけです。そういった事実を明らかにし、全ての日本国民が自分の頭でキチンと考えるようになれば、アベノミクスのような実効性のない空虚な経済政策は行われない訳なのです。

今一度、自分の頭で考えてみましょうよ。

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