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一歩先を見ることの重要性

齢五十を過ぎると昔のことを回顧したくなるものでして…(汗)

昔在籍していた会社で、情報システム担当になった時の話をしてみようかと思います。

当時、携帯電話で「何とかモード」とかいう仕組みが出来てインターネット接続できるようになり、「何とかモード」公式サイトというのになって携帯電話による閲覧数を競っている時代でした。何で閲覧数を競うのかというと、閲覧数が多い順で毎月「何とかモード」の公式サイトとしてメニューに出てくる順番が変わるからですね。人間、順位付けをされるとどうしても競いたくなるものですし…

でも、情報システム担当になった自分はあることに気付いたんですよ。

テレビ番組で公式サイトに誘導する時に「トップメニューから○○して××して、どうちゃらこうちゃら」ってテロップ出されても、短時間では読み切れないぞと。そして、普通にURLをブラウザで直接打ち込んだ方が実は早くね?と。もちろん、直接打ち込むのに「http://www.○○○.co.jp」なんて打ち込んでたら面倒くさくてやってられない。でも、ブラウザで打ち込む時に「http://」の部分は不要だし、URL自体を短いものにしちゃえば「簡単で良いよね。」と思ったんですよ。ちょうど、取得しておいたけど使っていない汎用JPドメインもあったし。

そこで提案してみました。

URLを「www.○○○.co.jp」から「○○○.jp」にしちゃおうよと。そして、テレビ番組で告知する時には「○○○.jpにアクセス!」にしちゃえば良いじゃんと。もちろんいろんなところから反対がありました。やれ「何とかモードの公式サイトを維持するのは重要!」とか「いままで慣れ親しんだアドレスを変えるとアクセスが減る!」とか。一番笑ったのが、役員からの「wwwを付けるのは常識。外すなんてあり得ない!」という突っ込み。それに対して「時代は変わるんですよ。入力する文字数少ない方が有利でしょ?」とか「番組中で『○○○.jp』だけ出せば良いんだから、見る側からすると分かり易いじゃん!」とか。

もちろん、幾ら先を見て仕事をしているからと言っても、当時の自分が「何とかモード」があっという間に廃れてしまうなんて想像もしてなかったし、パソコン並みの機能を電話機に詰め込んでみんなが持ち歩く時代がやってくるなんて思ってもいませんでしたけどね。ただ、少なくとも「何とかモードの公式サイト」という概念は廃れることは想像していました。だって、当時ですら階層深くてアクセスし難かったんですもの。そういった意味では一歩先は見えていたと思っています。

しかも、企業の公式サイトが汎用JPドメインを運用するなんて超大企業のごく一部でしかやっていなかったことですし、業界内で見るとやっているところなんて一つもなかったわけです。ある意味、もの凄い冒険でもありました。そんな中、周囲の反対を押し切ってURLを「○○○.jp」に切り替えたんですよ。

結果は…

サイトへのアクセス告知をシンプルにすることができたので番組宣伝のCMに「○○○.jp」と常時掲出可能になったこともあって、アクセス数は増えたわけですよ。そうなるとアレですよね。日本特有の業界横並び原理が働くわけですよ。放送業界のウェブサイトのURLは一気に「汎用JPドメインの運用」を始め、「www」の廃止に傾いたわけですわ。そして、今では一般的な企業のウェブサイトでも汎用JPドメインが使われるようになったし、「www」を付けなくてもアクセス可能になったわけですわ。

そんな単純なことでも、一歩先を見ると様々な改善ネタが転がっているわけです。そういった仕事をコツコツとしていきませんか?意外と楽しいですよ。

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