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社内SEは御用聞きにならないとダメ

先日のJR東日本に於ける新幹線の大規模障害は、現場と情報システム担当者との間の連携がなされなかったため長時間に及んだとの報道がなされた。 実は、この報道においては二つの問題点が明らかになっている。
ひとつは、現場担当者がシステム障害であると判断したのにも関わらず情報システム担当者に連絡をしなかったと言うこと。 これは初動が遅れる原因にもなるので重大な問題だし、報道されている内容を読んだ人は誰もがピンと来る話しだと思う。 通常、現場にはシステム障害時の連絡先が掲示されているはずであって、そこに連絡すればシステム担当者が駆けつける仕組みにしているであろう。 この連絡が遅延すれば、それだけ復旧作業が遅れると言っても良い。
もうひとつは裏読みしないといけないのだが、情報システム担当者が異変に気が付かなかったと言う事である。 これは連絡が来なかったと言うことも原因としてはあるが、ニュースを見ていない、運行状況を把握していないというのも原因だったのではないだろうか。
社内SEの業務を勘違いしている人達が多くいるのだが、社内SEは自席でふんぞり返って、現場からの連絡を待つのが仕事ではない。 システムが正常に動作しているかどうか、現場がスムーズに処理を出来ているかどうかを把握して、システム障害を未然に防ぐことが仕事だ。 その為には、ニュース速報がいつでも見られる体制にしておくとか、イレギュラーな運用体制になっていないかどうか把握するのは、重要な任務の一つである。 その為には、日頃から現場関係者とコミュニケーションを取って、御用聞きにならないとダメなのである。
ところがネット上で多く目にするのが「開発SEよりも楽」とか「何もすることがない」とか、勘違いの書込なのだ。 このような書込をしている人達は、自分達の職責を果たしてない人達なのだが、情報だけが一人歩きをして「転職するなら社内SE」みたいな風潮を作っている気がする。
また、社内SEを求める側にも責任があって、SEと名がつく職種を経験していれば社内SEは務まると思い込んでいる節があり、書類の段階で変なフィルタをかけてしまっている例が多く見られる。 結果、そのような企業には「働かない社内SE」が増え続け、今回のような事故を起こしてしまったりするのである。
報道する側も、もっと切り込んだ取材をして裏側を明らかにするようにしないと、今回のような事故は永遠に無くならないどころか、増え続けていく結果になってしまうであろう。 また、企業側も、今回のような事故を起こした人間を放置せずに適切な指導を行うことが大事であり、対外的にも包み隠さずオープンにすることが大事なのだと言うことを理解して頂きたいものだ。 そして、採用する側は変なフィルタをかけずに、広く募集をかけることが大切なのだと言うことを理解して頂きたいものである。

コメント

  1. Yosukebeee より:

    職業柄共感しました!

  2. pismo より:

    ありがとうございます!
    そう言って頂けると嬉しいです。

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