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池の中の鯉が集まるネット配信

僕がネット配信を見始めて丸8年くらいになるかな?最初に見始めたのはツイキャスだったので、ニコ生全盛期を知らないんですけどね。そんな人間が、最近特に思うことがあるので記しておきます。ちなみに、最近はネット配信を殆ど見なくなりました。

僕が見始めた時って、例えばアマチュアのシンガーソングライターが配信を通して自分が作った曲を聴いて欲しいとか、ただただ話すことが好きだから話を聞いて欲しいとか、そういうのが目的の人が多かったように思います。ある意味、SNSの延長線上にあって名前を売る為に利用する手段だったりしたのかなと思います。

その時代って、配信の内容の面白さで視聴するかどうか決めることが出来たので、結構楽しめたんですよね。眠れない夜中に、好みの配信を見ながら(聴きながら)眠るみたいな感じで。そこには「心地よさ」というのもあったように思います。

ところが、そういったネット配信のプラットフォームが増えて、配信者獲得の為に金が飛び交うようになってから様相が変わってきたような気がします。

確かに、視聴している側の心理としては「面白い配信ありがとう」的にアイテムを投げることに抵抗はなかったので、それが有料化したところで心理は変わらなかったですね。まあ、限度というものはありますけど。その時代は「まだ」今ほど日本は貧困で無かったというのもあるかもしれません。たった数年前なのにね。

様相が一変したのはマスコミがネット配信を取り上げるようになってからでしょうか。しかも、月に◯◯◯万円稼ぐみたいな感じで「金を稼ぐ手段」として取り上げるようになってからでしょうね。

猫も杓子も「稼げるんだ」と思い込んで配信者になった結果、配信する側の意識が変わって「(楽に)金を稼ぐ為の手段」としてのネット配信という物に変わってきたような気がします。確かに、高額アイテムがガンガン飛び交うのを見ましたし、僕もガンガンではないですが高額アイテムを投げたことはあります。ただ、この段階ではまだ「配信内容の面白さ」が残っていた気がします。面白から投げる、面白くないから投げないというのが明確であったようにも思います。

新型コロナ禍になって、仕事を失った人達(特に夜職の人達)が乱入してきた結果、「金を稼ぐ目的」に配信をやるようになった人達が急増して、何が起こったかというと「アイテムくれくれ」配信者の急増です。

今も、幾つかの配信プラットフォームを見て回っていますが、トップの一覧を見た段階で「アイテムくれくれ」を訴える人が急増しちゃっていて、実際に配信を見ることが無くなりました。各アプリのトップという池の中に「エサをくれ」と口を開けて集まる鯉が群がっているような感じがして、興味が削がれてしまったんですよね。単に削がれたと言うよりも急速に冷めたという感じ。

新型コロナ禍で配信者だけではなくリスナーも増えたらしいですけど、結果としてどうなったかというと投げられるアイテムが分散してしまったために「稼ぎにくい」ネット配信に変わってしまったのだと思います。それ故に、池の中の鯉が急増する結果になったのだと。そして、僕のように登録はしているものの見なくなった人が増えたんじゃないかなと思っています。

尚且つ、急速に進む不景気でアイテムに課金できる人達も減ってきているのでしょう。以前のように高額アイテムが飛ばなくなってきているなと言う印象を持っています。実際にイベントのランキングとかを見ていると入賞者の獲得ポイントが半減に近いくらいに下がっている印象です。

元々は配信者もリスナーも楽しむ為のネット配信であったはずが、配信者が金を稼ぐのを目的化しちゃった為に面白くなくなって、アイテムくれくれ配信者が急増した結果、リスナーが離れていき稼げなくなり、益々アイテムくれくれになりという負のスパイラルに陥っている気がします。配信で金を稼ぐのは手段であったはずなのですが、目的化しちゃった結果としてリスナー離れ(特に課金するリスナー離れ)が起こっているんですね。

何事にも良く言われる言葉に「手段の目的化で失敗する」というのがあります。今の配信業界は、まさしく「手段の目的化」が横行していて中身のない空虚な配信が増えているように感じます。そろそろ配信プラットフォームの淘汰が始まりそうです。赤字の配信プラットフォームも増えてきているみたいですので。同時に配信者の淘汰も始まるのでしょうね。

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