スマホのデータについて「消去」と「削除」の違いって判りますか?
何でこんな事を問うかというと、某所で「消したものはアプリで簡単に復元出来る」って強く主張する素人さんを見かけたんですよ。で、それを強く信じる素人さんもね。そこで一般の方の理解として「消去」と「削除」の違いを理解できているのかなあと思ったわけです。
そもそもね、「消したものはアプリで簡単に復元出来る」ならスマホの中古市場って存在し得ないわけですよ。だってさ、簡単に復元出来るなら個人情報漏れまくりじゃないですか。そんなところに売りに出す人も居ないでしょうに。でも、現実には中古市場はグローバルに存在しているし、そこで購入した端末から個人情報が漏れたなんて言う話は欠片も存在しないわけですよ。
普通は、その段階で「消したものはアプリで簡単に復元出来る」って言う主張がデマを含んでいるのを容易に見分けられるわけです。でも、世の中にはそんな簡単な事も見分けられない人が少なからず存在するわけです。
多分、原因は「消去」と「削除」の区別がつかないからですね。
「消去」はOS標準機能としてパソコンにもありますし、タブレットやスマホにもあります。これを実施すると「原則として」復元不能な状態にまで真っさらになります。いわゆる「工場出荷時」の状態に戻るわけです。中古市場に売りに出す場合には「消去」を行う必要があります。これを行う事で個人情報の流出を防ぐわけです。だから個人情報の漏洩がない中古市場が存在するわけです。
「削除」はOS標準機能としてパソコンにもありますし、タブレットやスマホにもあります。これを実施すると「見かけ上、データが存在しない」状態になります。が、それはデータに「削除したよん」っていうフラグを付けるだけなので、復元可能な状態にあるわけです。これが所謂「アプリで簡単に復元出来る」状態になります。当然、個人情報の漏洩が発生しますので中古市場では「削除」だけした端末は原則として買い取ってもらえません。たまに、中古市場からディスクを調達したらデータが復元出来た、個人情報が見えたって言う報道があるのは、この状態で中古市場に流してしまったからですね。
ちなみに、私が中古で買ったルーターは「初期化済み」って書かれていたのに前の使用者の設定が残っていた事があります。これは「消去」したつもりが「削除」しかしていなかった為に発生した事故ですね。
このように「消去」と「削除」の違いを正しく理解できないと容易にデマに騙されますし、場合によってはデマの発信源になるわけです。
何事も知識が大事って事ですね。
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