Twitterのフォロワーさんに、こんな記事を教えてもらいました。
「お薬手帳」利用減る?薬局、意義を呼び掛け 診療報酬改定 持参しない方が安く(東京新聞)
まことしやかに語られているのは知っていたのですが「お薬手帳を出さない(持たない)と1回に付き20円お得になる」というもの。それによって、お薬手帳は意味をなさなくなるのではないかという話。
実は、今年度(2014年度)から報酬が改定されて「お薬手帳による管理を行わなかった場合」の報酬が新たに設定されたことを指しています。
お薬手帳での管理がある場合は41点(従来通り)なので、3割負担で120円。お薬手帳での管理がない場合は34点(新規)なので、3割負担で100円。その差、20円がお得という事です。確かに話はあってます。
でも、実は従来は120円お得だったんですよ。
ここに書かれている通り、従来は「お薬手帳による管理がされてないと報酬が発生しない」仕組みになっていたわけです。だから、お薬手帳での管理がある場合は41点なので、3割負担で120円。お薬手帳での管理がない場合は0点なので、0円だった訳です。
と言う事は、実は今年度から「お薬手帳を出さないと100円損をする」ことに変更になったんですね。要するに、今まで払っていなかった人から大差のないお金を取る事でお薬手帳を使わせようという理屈です。
ここに大きな落とし穴があったんですね。従来は「お薬手帳を使わない事で120円得をする」という裏技が語られていなかった訳なのです。わざわざ、新たに報酬を設定する事で「お薬手帳を使わないという裏技が、裏技でなく表技になってしまった」という事なんですよねぇ。
結論としては、従来からこの裏技を知っていた人にとっては100円損になったけど、知らなかった人にとっては20円得になったという事なのです。
※ 画像は厚生労働省近畿厚生局発行の「平成26年度調剤報酬改定の概要」より転載
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