できた気になる人


そもそも能力のある人間は頻繁に異動しないモノだと言うことだけは書いておこう。
そういえば、今の社内ネットワークインフラを構築したときにボクと一緒に担当した若い社員は、自ら勉強しないから何もできないクセに「できた気」になって有頂天になると言う悪癖を持っていた。 そして、その悪癖が現れて結果として担務替えを招いた事件が社内ネットワークインフラ構築作業中に発生した。
業者さんが入って検討してきた社内ネットワークインフラ構築作業が導入フェイズに入ったとき、導入作業自体が壁にぶち当たり虚しく時間が過ぎていく日があった。 このまま作業を進めるべきか、一旦解散して頭をクリアにしてから日を変えて作業をすべきかの判断が必要な段階になってきたとき、工程の精査のために一旦その場を外れたスキを突いて彼は「先へ進む」という判断をしてしまった。 ボクが「一旦作業をやめる」という判断をして現場に戻ったときには「先へ進む」という彼の判断の下、作業担当の業者さんが黙々と作業を進めていたのだった。 しかし、無理なのは判っていた。 彼に対して判断の誤りを諭したが、有頂天になっている彼には「目上の人の話を聞く」という社会人として基本的なことができない状態になっていた。 激怒したボクは「お前の判断で進めたいなら勝手にやれ!」という言葉を残して、その場を去った。 彼は、慌てて追いかけてきたが無視して帰宅した。 もう、深夜と呼ばれる時間帯だった。
帰宅しても結末が判っているだけに眠ることはできなかった。 やがて、丑三つ時も遙かに廻った時間になって彼から電話がかかってきた。 予想通り、どうにもならない事態になってしまったのだった。 会社に戻り、ボクの判断を説明し一旦解散とした。 翌日は作業を休み、体調を整えた後に再度作業を行うことにしたのだ。 早めに終えていれば翌日も使い物になるのだが、早朝と呼ばれるような時間帯に入ってしまっては使い物にならないから当然の判断だった。 頭脳労働者は行き詰まると頭の中で思考が堂々巡りを始めて重要なことを見落としがちになるのだ。 ムダに一日浪費してしまうが先のことを考えるとやむを得なかった。
この一連の事件で彼が学ぶべき事は、発注者側が「作業中止」の判断をしないと受注者側からはなかなか言い出せないモノであり、一瞬の判断ミスが工程に大きく影響する可能性があるということなのだ。 彼はボクの下に来る前は制作現場に約1年いたので、外部の人たちとの共同作業というモノの性質を十分学ぶチャンスはあったはずなのだが…


そして、現在はデジタルデータ放送設備に関わる仕事を彼が中心になって進めており、同時に疑似CMSの構築担当SEとして関係各部および構築業者と調整をする立場になっているのだ。 現在はまだ導入フェイズに至っていないので余裕なのだが、2月末からの導入フェイズに入ったときにどうなるのだろうかと心配になる。
既に関係各部との調整に関して彼は十分に行っておらず危険な香りがプンプンとしてきている所だ。 今回ばかりは前回と違い助けてくれる人物は居ないので自分で判断して、全体工程を加味しながら自らの手で進めていかなければならないのだ。 なのに、そんな状況なのである。 社内ネットワークインフラ構築という重要案件を検討段階から一緒になって進めてきたのだから、そこから学んだことは非常に多く、「事前に検討しなければならないこと」や「工程管理の仕方」、検討から導入・引き渡しまでの作業の進め方と発注者側の責務というモノを十分理解しているはずなので“大丈夫だ”と思っている人は多いのだろうが…
既に検討に入る前の段階から悪癖がチラホラ出てきているのでボク自身は非常に心配しているし、とばっちりがこちらに廻ってこないかと自らの運命をも心配している所だ。 既に本番開始まで半年を切った。 全体工程は遅延しており予断を許さない状況であるのは当事者以外はみんな知っていることなのだ。 できた気になるだけでは物事は進まない。 早く、そこに気がついて欲しいと切に願うのだが…
最後に、彼はウチの会社の2004年度採用のページで、こんな事を書いていた。

Q.担当業務で印象に残ったエピソードは?
A.これから3月の中旬にかけて、今までの仕事の中で最高に印象深いエピソードが誕生すると思います。それまでのお楽しみかな?

彼は昨年春のシステム切替作業で最高に印象深いエピソードを残せたのでしょうか? 結局、何もしなかったのに…


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