被害に遭われている方々には御見舞い申し上げます。
今回の地震被害の特徴的な所としてはショックで御亡くなりになった方が多数いらっしゃると言うことでしょうか。 生後2ヶ月の赤ちゃんもショックで亡くなっているようですし… やはり阪神のときと違うのは「みんな起きて生活している時間帯」と言うことで、よりインパクトが大きかったのでしょうか。
あと、報道に関して多数の意見が出ているようですが…
北海道南西沖地震のときの経験から言うと、このような大規模災害の報道は非常に難しいものがあると思います。 「事件は会議室で起こっているんじゃない!現場で起こっているんだ!」という踊る大走査線の青島刑事の台詞がありますが、まさしくその通りでして…
局に残っている人たちは電話などで情報収集しますし、各役所から情報を得ようと努力します。 現場に向かう人たちは「状況が全く判らないけど、とにかく現地へ向かえ!」とひたすら走り続けます。 情報網が整備されてきたとはいえ電波不感地帯もあるでしょうから情報が断続的になりがちだし、最も恐ろしいのは先がどうなっているのか判らないまま進むしかないという所にあります。 南西沖地震のときは地震発生から30分後には中継車とともに走り出していました。 もちろん夜通し走り続けました。 先がどうなっているのか判らないまま… とにかく現場にたどり着かないことには何も出来ないのです。
同じ内容を繰り返して意味がないとか、地元の人たちが必要とする情報を得られないとか言われる地元以外の方々がいらっしゃいますが、地元のことは地元の人(それは役所の人だったり、自分たちであったり)たちが一番よく知っているはずです。 それを、東京から未確認の情報やら憶測で物事を語ってしまっては、災害現場では混乱を招くだけなのです。 少なくとも放送局と新聞社は「真実を報道すべき立場」なわけで、そうすると得られる情報が少ない中では今回のような報道のあり方は、やむを得ないのではないかと思っています。 情報収集の努力をしていない訳ではありません。 どんな危険が待っているか判らない中で、ひたすら現場へ向かっている部隊もあるのです。
週刊誌的な報道を期待されるのなら、それはそれで構いませんが、その報道の多くは取材不足や偏った見方でのデマであったりするのだと言うことだけは理解しておく必要があるのではないでしょうか。
これまた、南西沖地震の時の話になりますが、奥尻島へ渡った多くのマスコミの方々が自ら食事を調達できずに被災者への炊き出しに手を出していた社もあったようです。 そんな中、ある社は飢えに耐えながら取材を続け、機材の輸送時にささやかな食事を一緒に空輸してもらい何とか食事にありついたそうですが、その様子を見ていた他の媒体の方に虚偽の報道をされ、某シンガーソングライターさんに歌にまでされてしまったそうです。 その媒体での記事では「まるで犯罪者扱い」だったようです。 そんなこともあります。 現場にいない人たちが物事を語り始めると…
被災者や現場にいる人しか判らない真実はいっぱいあります。 そういったことが報道されることを望むのならば自宅でノホホンとテレビを見ていないで、自らアクションを起こされることを御勧めいたします。 報道機関は「何でもかんでも伝えること」が仕事ではないのです。 情報を適切に取捨選択して「混乱を招かないように伝えること」が仕事なのです。
マスコミ側にいる人間なので、ある意味偏った見方になってしまっているかもしれません。 また、今回の現場にいる人間ではありませんので、今回の状況とは異なる内容も多数含んでいることを改めて御伝えしておきます。
ただ、マスコミのあり方については次へつなげる為に、落ち着いてからにしませんか? 今、あ〜でもない、こ〜でもないといった所で被害に遭われた方が意見を言える状況ではないのですから、そういった状況が改善されてから、真実が語られるようになってからでも遅くはないのではないかと思います。
長々と済みませんでした。
コメント
[radio]こういうときはラジオ
こういう時はやっぱりラジオだよなぁと思う。避難時に電気・ガスをどうするべきか、病院の状況はどうか、今後の見通しはどうか、かなり頻繁に伝えている。停電していても見られるテレビは限られている(無いわけではないけれど)。ラジオなら単四乾電池1本でも結構もつの…
マスコミの実態は?
災害報道のマスコミ関連の記事がありましたので紹介します。 被災地のコンビニで「おにぎり20個くれ」というマスコミ 皆川優太ちゃんを運び込んだ病院でマスコミは何をしたか 報道…