先日、道東方面に旅行に行ったときに利用した道東道で気が付いたことを記しておきます。わざわざ記すのは帰りの日にあった「道東道での自動車横転炎上事故」に関連しそうだからです。
北海道内の高速道路(無料の自動車専用道路含む)は交通量が多いところは最初から四車線で建設されているのですが、殆どの区間では交通量が少ないため二車線になっています。二車線区間ではICやPA・SAの近傍に追越車線を設けられていることが多いのですが、その追越車線の終端で事故になりそうな危険な運転をする車が多く目に付いたので気になっていたんですよね。
危険な運転とは「無理に前に出ようとしてギリギリまで攻める結果、走行車線の車に対して幅寄せをする車がいる」という事なのです。本来であれば追越車線側が減速して走行車線を走っている車に対して迷惑をかけないように合流すべきなのですが、残念ながらそういう車は殆ど見かけませんでした。
そういう事態になる原因の一つに、追越車線の長さを把握していないために短い区間であっても途中から無理に追い越しをかける車が後を絶たないという現実もあります。例えば、長さ1000mの追越可能区間があったとして、そこを時速100kmで追い越しを掛ける場合、始点から終点に到達するまでの時間は36秒になります。それが、中間地点くらいから追い越しをかけると18秒しかなくなるわけです。追越可能区間では走行車線を走る「遅い」車も何故かスピードが上がり時速90km位で走っていたりしますので、時速差は10kmで18秒間では僅か50mの距離差しか生まれません。追越車線に出るまでの距離と走行車線に戻るまでの距離を考えると実質的に1台くらいしか抜けないんですよ。なのに2台3台連なっているのを無理に抜こうとする人を見かけました。これでは事故が起こっても仕方ないかと思います。そういうドライバーって「追越可能区間の長さ」を把握していないので無理をしちゃうのかな?とも思ったりもします。
そんな事言ったって「追越可能区間の長さ」なんて判らないじゃん!と思った方は、今一度、制限速度を守りながら全ての標識を見落とさないように走行してみてください。追越可能区間に入るところに、ちゃんと「追越可能区間の長さ」を書いた標識が立っていますので。これ、前方に連なっている車の台数と共に、追い越しをかけるかどうか判断するための重要な情報なんですね。これを見落としていると当然の事ながら追い越しをかけるかどうかの判断を誤り、事故につながりかねないような運転をしてしまうことになるのです。
自分の場合だと、追越可能区間の長さが1000m台の場合、追越可能区間に入ってから直ぐに追い越しをかけたとして3台くらいが限度だなという判断をしています。なので、それ以上車がいる場合には追越を諦めます。追越可能区間に入ると遅い車もスピードが時速20km位上がるというのも経験上ではほぼ確実に言えて、そういうのも含めて総合的に判断した結果が先の判断になります。じゃあ、ガッツリ自車の速度を上げて速度差を広げれば良いじゃんと思うかもしれませんが、そうなると今度は追越に掛けられる時間が短くなります。当然ですよね?なので、単純に自車の速度を上げると追い越せる台数が増えると言うわけではないのです。
こう言ったことは、なかなか自動車学校で教えてくれるものではないですし、経験の積み重ねで即座に判断できるようになるものなのと、多分、ドライバーの性格も影響することが推測できるので難しいものがあるかと思います。
最初に記した事故の件は、現在のところ原因が究明されたわけではないようですので一概に「これが原因」みたいな話を書ける状況にはありませんが、少なくとも2台の車(一方はトラックと報道されています)が接触したポイントはSNSに投稿された動画や写真を分析するに、千歳東IC前後にある追越可能区間の終端で発生したものと推測されます。どちらがどうとは言えませんが、可能性の一つとして、どちらかのドライバーによる無理な追い越しからの無理な合流で発生したのでは?と推測することは出来ます。
こういう事故を防ぐには日頃から無理な追い越しをしない、追越可能区間に入るところに立っている標識は見落とさないという事を心がけて運転することが必要であり、また巻き添えを食らわないためには充分な車間距離を開けることが大事なのだという事を理解すべきだと考えます。同じ日に煽り運転を執拗に行うランクルも目撃したので、そういうドライバーについては再教育が必要なのかな?という印象も持っています。
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