非正規雇用の待遇改善の為に法制化が進められているのが「同一労働同一賃金」ですが、正直なところ「本当の意味での同一労働同一賃金」は日本では実現不可能だと思っています。
旧来、正規雇用の賃金が高い理由の一つとして「正社員には責任があるから」という事が言われてきています。でも、少なくとも自分が見てきた中では「問題が起こった時に責任を取らされるのは非正規雇用」というケースが非常に多かったように思います。問題を起こした時に真っ先にクビを切られるのはいつも非正規の方々でした。たまたま自分の周りだけそういったケースが多かったのでしょうか?そんな事は無いと思います。建前としては「正規雇用には責任がある。非正規雇用には責任はない。」でしょうが、本音は「正規雇用には責任がない。非正規雇用に責任がある。」でしょう。
おそらく、「同一労働同一賃金」が法制化され実行されたとしても、先に挙げた建前の部分を盾に「正規雇用の方が賃金が高い」状態は継続されるものと推測されます。建前と本音の一元化、要するに「問題を起こした時に責任を取ってクビを切られるのは正規雇用」という状態にならないと、「本当の意味での同一労働同一賃金」を実現したとは言い難い状況が続くでしょう。結果として、現状の「正規雇用=高賃金、非正規雇用=低賃金」の固定化に繋がるのではないでしょうか。そして、いつも実際に責任を取らされるのは「非正規雇用」という事が固定化してしまうのだと思います。
「本当の意味での同一労働同一賃金」を実現する為には「等しく責任を負い、等しく責任を取る」ことが重要になるのではないかと見ています。そこが実現しない限り、空洞化した「同一労働同一賃金」しか実現できないと思います。
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