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システム構成図って不要ですか?

今から書くことは全てフィクションであり、企業名が出ている部分以外は特定の企業やシステムのあり方を書いたものではありません。あくまでも一般論として捉えてくださいますよう、お願い致します。
さて、情報システムの運用現場って、基本的に開発・構築側の人達が書いた膨大な運用マニュアルに従って業務が遂行されています。特に、ここ数年は、そういった現場が多いのではないかと思われます。それは、開発とか構築とかを経験したことのない若年層が運用現場に大量投入されていることと無縁ではないのではないかと思います。某システム屋さんに聞いた話だと、そこの会社では開発や構築を経験した人間が引退した後に行く先が運用であると伺いました。普通に考えれば、その通りなんですよね。マニュアルに書いてあることを適切に読解する能力は、開発・構築現場を経験した者にのみ身に付くことですから。
ところが、最近はコスト競争の影響もあって運用現場に投入されるのはコストの低い若年層ばかり。リーダークラスでも、運用しか知らないと言った偏った経験しか持たない人間が投入されています。その結果どうなるのかというと、監視システムがエラーを検出しても適切にエラーメッセージを読解することができない人間ばかりになってしまうんですね。まぁ、基本的には運用マニュアルと照らし合わせて対応を行うわけですが、エラーが複合するとパニックに陥ってしまうこともありうるわけです。ハードウェアの監視と、ソフトウェアの監視を別々にしていたりすると、両者を結びつけて考えることができなかったりもします。ハードウェアの障害が原因で、ソフトウェアの障害が発生していたりすると、そこら辺を関連づけるようなことがマニュアルに書かれていなければ、もうお手上げだったりします。
何故、そのようなことが起こってしまうのかというと、運用マニュアルに詳細なシステム構成図が記載されていないことが往々にしてあったりするからなんです。あと、システム構成を運用現場では重視していないと言うこともあるかと思います。まぁ、運用現場しか知らない人間にとって見れば、システム構成図を読解する能力すらないわけですから、結果として軽視されてしまうと言うことなんでしょうけど。出す側も、「どうせ、運用の連中は理解できないし…」といった考えでいたりするから、最初から出てこないというのもあったりします。結果として、ハードウェアの障害に起因するソフトウェアの障害について、両者を結びつけて考えることが出来なくなってしまうと。そして、事の重大さに気が付かなかったりするという事態になってしまうわけなんです。
でも、システム構成図って大変重要なんですね。企画・開発・構築・運用を一通りこなしてきた立場から言わせてもらえれば、システム構成図なくして運用は出来ません。そして、システム構成図を読解できなくて運用は出来ません。運用現場には、そういった部分から指導できる人間が必要ですし、全員が理解していることが必要です。コストカットの為に、そこを軽視することは許されません。
さて、先日大事故を起こして話題になっているファーストサーバですが、こちらも先に挙げた通りの状況だったのではないかと思われます。事前にチェックしたときにチェックが漏れていたと言われていますが、単純に他サーバーへ影響が広がったことだけが問題ではないと思います。一番の問題点は、自サーバー自体で全ファイル削除が行われていたであろう事に気が付かなかったこと。そして、バックアップ(待機系ではない)に対しても影響が及んだ事に気が付かなかったこと。そこが、大きな問題かと思います。ひょっとして、テストした人間はシステム構成を知らなかったのではないかと。コスト削減の影響がこんな所に出て来てしまうのは残念なことですが、これが事実なのだろうなと感じています。
もっとありますが、それははまた次回の話。

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